交通事故の加害者が負う、3つの責任
交通事故が発生すると、現場に到着した警察官は、事故の状況を調べ「実況見聞調書」を作成します。詳しい取調べは、警察に任意出頭をした後行われます。ここで警察官は、当事者から聞いた状況を「供述調書」にまとめ、それを読み上げて確認と署名押印を求めます。この時調書の内容が正しいかどうか、十分に確認する必要があります。
その後加害者は、刑事責任、民事責任、行政責任を問われることになります。
交通事故加害者が負う、刑事責任
交通事故が発生すると、警察は明らかに過失がないと認められる場合を除き、運転者を被疑者として取調べ、検察庁に送致します。検察庁では、更に取り調べ、その処分を決定します。
処分内容には、不起訴処分、略式処分、公判請求の3つがあります。
不起訴処分
運転者の過失が十分に立証できない場合や、過失の程度が軽微などの理由で処罰する必要のない場合は、不起訴処分になります。この場合、刑罰を受けることはなくなりますが、被害者がこの処分に不服である場合には、検察審査会に審査を申し立てて再考を求めることもできます。
略式処分
検察官が事故の内容からみて、罰金が相当と判断し、被疑者も異論がない場合は、検察官は裁判所に対し略式命令の申立をすることができます。裁判所は正式な裁判手続きを省略し、書面審査だけの簡単な手続きで、被告人に対し、罰金刑を言い渡すことができます。
公判請求
上記の「不起訴処分」「略式処分」の手続きで済まされない事件については、検察官は裁判所に公判請求をします。正式な裁判手続きを経て、刑が言い渡されます。
なお、検察官が加害者に対して起訴・求刑をどうするか決定する際、被害者と加害者との間で円満に示談が成立していたり、被害者側から、加害者の刑について寛大な処置がされるよう上申書等が出されていると、加害者に有利な事情として考慮されることもあります。
(参考)交通事故における刑事罰
●自動車運転過失致死傷罪(刑法211条)
・7年以下の懲役または100万円以下の罰金
●危険運転致死傷罪(刑法208条)
・負傷の場合:15年以下の懲役
・死亡の場合:1年以上の懲役
交通事故加害者が負う、行政責任
物損事故、人身事故ともに道路交通法によって運転者に違反点数が課せられ、違反点数が一定以上になると免許停止や、免許取消などの処分を受けます。
| 事故の度合い | 付加点数 |
|---|---|
| 死亡事故 | 20 |
| 専らの原因で治療期間3月以上の重傷事故、 又は特定の後遺障害が伴う事故 |
13 |
| 専らの原因で治療期間30日以上3月未満の重傷事故 | 9 |
| 専らの原因で治療期間15日以上30日未満の軽傷事故 | 6 |
| 専ら以外の原因で治療期間15日以上30日未満の軽傷事故 | 4 |
| 専らの原因で治療期間15日未満の軽傷事故 又は建造物損壊に係る交通事故 |
3 |
| 専ら以外の原因治療期間15日未満の軽傷事故 又は建造物損壊に係る交通事故 |
2 |
交通事故加害者が負う、民事責任
加害者の民事上の責任として、被害者への損害賠償責任があります。
人身事故の場合は、ほとんど自賠法(自動車損害賠償保障法)によって、損害賠償請求が行われています。自賠法が適用されない場合には、民法が適用されることになります。


